128:名無しNIPPER[saga]
2017/06/04(日) 23:27:32.01 ID:aF6m6vO3O
「千歌ちゃん、ありがとう。千歌ちゃんと曜ちゃんが励ましてくれたからもうピンピンよ」
「それは、段差でつまづいている人が言う台詞じゃないかな〜」
「そ、それは、そういう事もあるの!」
「へへっ、でも元気になったのは本当みたい。良かったよ、梨子ちゃん」
千歌ちゃんが、持っていたペットボトルを私にくれる。
「ありがと、気が利くね」
「でしょぉ? 梨子ちゃんの事なら、何でもお見通しだよ」
それをちょっとだけ頂いて、千歌ちゃんに戻す。甘い。
「退院したら、もう夏だね」
千歌ちゃんが、目の前でサッカーをしている子ども達を見ながら言った。
「そうね。アイス……食べたいかも」
「ぷっ、もお、梨子ちゃんの食いしん坊」
「だって、ずっと病院食だったし……なんだかそう言われたら恥ずかしい」
「いいよ、いいよ。梨子ちゃん、可愛い」
「もお、はいはい」
千歌ちゃんが大きく背伸びをした。
「私ね、梨子ちゃんが好きなんだよ」
空に吸い込まれるような言葉だった。
だから、私は聞き返してしまった。
すぐに、彼女の告白から一月が経過していた事に気がついた。
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