114:名無しNIPPER[saga]
2017/06/04(日) 19:09:33.78 ID:wAEe1nHVO
私の疑問は、確信に変わった。
あれは、間違いなく曜ちゃんの靴だった。
そして、居てもたってもいられず、千歌ちゃんの帰りを待たずに、私は静かに家に忍び込んだ。
曜ちゃん。お願い、何事もありませんように。
何も考えたくはなかった。嫌な予感を頭から必死に叩きだしながら、部屋の一つを覗いた。
台所だ。奥には洗面所、たぶん脱衣所が見えるから右手にお風呂場。
引き返して、反対側の部屋に入る。
寝室のようだ。布団が二組畳まれている。
灯りがないせいもあるだろうけど、どこか寂し気な家だった。
置物とか、アルバムとかがない。簡素なインテリアが、妙に背筋を震わせる。
「二階……」
音を立てないように、慎重に、慎重に。
恐さと焦りが、体を揺らす。
息が止まりそうだ。
私は、何をしているのだろう。
これで、二人がただ昼寝をしていただけで、なんてバカなことをしたんだろう、と終わってくれれば。
「……」
二階には廊下にそって、二部屋あった。
前方の部屋には、物置と書かれていた。
奥の部屋には、何も書かれていなかった。
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