岡崎泰葉「21世紀のピグマリオン」
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6:名無しNIPPER[saga]
2017/05/19(金) 01:13:21.48 ID:u2+y1K240
 アイドルの大半は、自分が世界で一番可愛い、美しいと信じています。
 
 だからお仕事がうまくいっても、プロデューサーのおかげだとは思いません。
 
 優しくされても、それを当然のように受け止めるでしょう。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2017/05/19(金) 01:16:11.00 ID:u2+y1K240
 私がPさんの魔法に気づいたのは、水着モデルの仕事をした時でした。
 
 私が着せられたのは、薔薇のような飾りがついた白いチューブトップのビキニ。露出面の広さと、胸を大きくみせる効果で評判の水着でした。
 
 普通の大人だったら、卒倒するするかもしれない。たかだか16の子どもが、こんないやらしい水着をつけて…。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2017/05/19(金) 01:17:12.48 ID:u2+y1K240
「いいよぉ、泰葉ちゃ〜ん。次はもっと大胆なポーズいってみよう!」
 
 カメラさんに言われるがまま、私は色んな体勢を取る。

 猫のように四つん這いになって、お尻を突き上げたり。両腕を絡ませて胸を寄せて、ウィンクしたり。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[saga]
2017/05/19(金) 01:17:49.57 ID:u2+y1K240
 撮影も終わりに近づいて、とうとう最後の一枚を撮るとき。Pさんがカメラさんに口を挟みました。

「最後は、岡崎の好きなポーズで撮ってくれませんか」

 私はぎくりとしました。好きなように。それは、私が一番困る注文です。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[saga]
2017/05/19(金) 01:19:09.04 ID:u2+y1K240
 かあっと、緊張で顔が赤くなるのを感じました。どうしよう。
 
 私はとっさに、Pさんとカメラさんに背を向けました。ここから、逃げ出してしまいたい。
 
 けれど、それはできない。やってはいけないことだ。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2017/05/19(金) 01:20:26.88 ID:u2+y1K240
 私がやっと振り向いたとき、パシャっと、フラッシュが焚かれました。

「今の表情は…」
 
 カメラさんが驚いた顔で、写真を確認していました。私は怖くなって、そこに座り込みました。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2017/05/19(金) 01:21:52.31 ID:u2+y1K240
 色んな声が私の中で渦を巻いて、私はそこに吸い込まれそう。

 気持ちが悪い。胃袋が、きゅっと持ち上がるのを感じて、私は口元を押さえました。
 
 どうにか堪えて立ち上がると、Pさんが私の肩にタオルをかけて、更衣室まで連れ添ってくれました。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[saga]
2017/05/19(金) 01:22:47.23 ID:u2+y1K240
「最高の表情だったよ」
 
 皮肉ではなく、本当にそう言っているように聞こえました。

 でも私は、「申し訳ありませんでした」とだけ返して、口をつぐみました。
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[saga]
2017/05/19(金) 01:23:35.34 ID:u2+y1K240
 そしたら大問題になる。

 写真を掲載する出版社は、私のことを使い物にならないアイドルだと思うし、他のアイドルも、事務所だって危ないかもしれない。
 
 私のせいで。私はタオルに顔を埋めて、少しだけ泣きました。
以下略 AAS



15:名無しNIPPER[saga]
2017/05/19(金) 01:24:18.76 ID:u2+y1K240
 けれどその後、カメラさんも、出版社も何も言ってきませんでした。

 私は得体の知れない不安がますます強くなって、Pさんに尋ねました。

 「あの、この前のお仕事のこと…」
以下略 AAS



16:名無しNIPPER[saga]
2017/05/19(金) 01:25:14.50 ID:u2+y1K240
「ああ。初稿が刷り上がってるよ」
 
 プロデューサーは引き出しから封筒を取り出して、私に渡しました。

 自分で確認しろ、そういうことでしょうか。
以下略 AAS



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