274: ◆PChhdNeYjM[saga]
2017/06/13(火) 22:37:01.04 ID:7v9q17ymO
――気付けば俺は、涙を流していた。
きっと、作者が彼女であると知らなければ、
彼女の身の上を知らなければ、
決して流す事のない、涙。
男「ごめん……ごめんね」
――俺が、彼女の日常を奪ったのだ。
手術で助かる確率は、よくて4割だと、彼は言っていた。
その確率は、本来であれば、もっと高かったはずなのに。
ドナーが現れるのを、あの病室で辛抱強く待ってさえいれば。
もしかしたら、今よりずっと安全に手術に移ることができていたかもしれないのに。
俺が、彼女を連れまわしたせいで。
もしも彼女が助からなければ、その命を奪ったのは、紛れもない……俺なんだ。
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