253: ◆PChhdNeYjM[saga]
2017/06/07(水) 21:15:38.04 ID:YV0GDy2xO
男「なんだよ……それ……」
男「ふざけんな……ふざけんなよ!」
女「男……さん?」
男「君には、生きる権利があるはずだ!」
男「命は大事だとか、誰もが等しいとか、そんなのどうだっていい!」
男「俺は、君に生きて欲しいんだよ!」
男「だから……だからさ……頼むよ」
男「帰ろう……女さん」
女「そう……ですね」
女「私……誰かに必要とされて、こんなに嬉しいって思ったのは……」
女「これまでの人生で、あなたが初めてですよ……男さん」
女「でも……ごめんなさい」
女「もう……遅いんです」
それを最後に、女さんは意識を失った。
まるで、スローモーションのような世界の中で。
女さんの身体が、ゆっくりと椅子から滑り落ちていく。
女さんの口元が、僅かに動いたような……そんな気がして。
さ よ う な ら
彼女の口元が、そんな風に……動いたように見えた。
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