島村卯月「ご注文は?」
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98: ◆mqlRkew9nI/5[saga]
2017/07/09(日) 23:46:41.16 ID:Rq+CpuVh0

 ***


その日、加蓮は奈緒の部屋に来ていた。


奈緒「……」

加蓮「……」


奈緒は座布団に座って漫画雑誌を読みふけり、加蓮はベッドに寝転がったままファッション誌を眺めている。

奈緒と加蓮は付き合いが長く、気の置けない関係である。こうして一緒にいるのに無言で別のことをして過ごしていても、今さら気まずいとも思わないのだった。

何かあれば話すし、別に話すことがなければ話さない。ただそれだけである。


加蓮「あ、そうだ奈緒」


加蓮が静寂を破った。ふと何かを思い出したようだ。


奈緒「んー?」


加蓮の声に、奈緒は漫画雑誌から目を離すことなく生返事で答える。今週も磯○衛が面白いのだ。


それを別に気にせず、加蓮はなんでもないことのように続けた。



加蓮「私、バイト始めたから」



奈緒「へー。……………………は?」


奈緒の目が、ジャ○プから離れた。




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