39:売人[saga]
2017/05/14(日) 23:50:00.14 ID:GMdbfU790
『これから会う人間にガイアメモリを渡すな』
父はガイアメモリを渡すなと残した。
あれは本当に誰にも渡すなという意味なのだろうか。
警察にすら知られてはならないと告げているのだろうかと思案していた。
「…まさかそんなことないよね!何考えてる私…」
昴はこれまで父親のことを尊重するように考えてきた。
幼い頃に母親と一緒に出かけていた時に事故に遭い、母親を失い、心も体も傷を負った彼女は毎晩のように泣いていた。
体の方は傷はほとんど残ってないが、心の方は癒えるまでしばらく時間がかかっていた。
それは父も同じで母親が死んでから毎日暗い顔していた。
"お父さんも悲しんでいる。せめてお父さんには笑っていてほしい"
そう思って昴は父親の前では笑顔でいるようにしていた。
父親も少しずつ笑顔を取り戻してなんとかいつも通りの父に戻っていた。
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