ハルヒ「古泉くんの子どもだったらあんな放蕩息子に育ってないわよ」
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42:名無しNIPPER[saga]
2017/05/18(木) 21:13:09.60 ID:a1uWnm9Jo

七重「ねえ、サキって――」

もうぬるくなったココアをすすると、七重は宙を見つめ、
自身の頭の中で膨らんだ風船をこの部屋に浮かべるように言葉を発した。

七重「――どうするの?」

クッションを両足で挟んで床にお尻をつけたまま、
カップに視線を注ぎながらことりとローテーブルに載せ、膝を抱える。

サキ「……柊さんのこと?」

尋ねた割にどこか、答えを聞きたくないと言ってるような目が待っている。

七重「うん」

賑やかな晩餐の後、七重と久し振りにまったりと流れていた時が一時停止する。
やや不快だ。七重に対してではなく、この状況に。
わたしは女の子に、というより七重に飢えていた。
ここは、自室よりずっとくつろげるシェルターのような場所だった。

反対側からカップを置き、再びベッドに腰かけた勢いのまま上半身を倒した。

サキ「……どうかなあ。忙しいし……」

名残惜しさにぼやく。心は65パーセントくらい決まっていたから。

七重「うん、だよね。やっぱりさ」

胸越しに覗く安堵の表情が痛ましくて、わたしは天井へ目を逸らした。

サキ「でも、人を冒す或る病気があってそれはわたし達にしか治せない」

返ってくる沈黙に耐え切れず上体を起こして、七重と向かい合う。

サキ「だから……」

七重は無理に笑顔を作ってみせた。

七重「サキならそう言うんじゃないかって思ってた」

その夜は、いつもより遅くまで語らった。とりとめのない話からお互いの将来のことまで。



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