13:名無しNIPPER[saga]
2017/05/28(日) 17:31:20.93 ID:5eIwWQUS0
「駒田くん、将棋の教室の都合で最近中々学校にも来れてなかったでしょ?忙しそうだったじゃない。だから気を利かせて音読の範囲は極力短くさせてあげようってまきなが言ってたの」
学校からの帰り、ちょうど自宅付近で出くわした引森と話していた。
「極端だろ!というか俺も短くする必要ないだろ!」
「ほら、一人だけだといじめみたいでかわいそうだって」
「本番当日まで大丈夫大丈夫って言ってたから、暗唱しないで教科書見ながらやるつもりなんだと思ってたよ」
俺はため息をついた。
「そうは言っても正直楽しんでたろ」
「ちょっとだけね。だって、ぐぶうしか言わないんだもん。それに、駒田くんも……」
引森は思い出したようにまたクスクスと笑った。
「今の班、楽しいね。中学にあがるのって凄い不安だったけど。まきなみたいな親友が出来てよかった」
「もう親友か。入学したばっかだろ。これだから女子は」
「月数は関係ないの。誕生日何あげたら喜ぶかなぁ」
「近いんだっけ?」
「12月25日」
「遠っ!しかもクリスマスかよ!」
「一緒に祝ってあげようよ。でもその頃には彼氏さんができちゃうかなぁ?」
「しらねーし」
「あんな美人さんの隣の席になって幸せなスタートですねぇ」
「興味ねーし。1番窓際の後ろの席になれたのは嬉しいけどな。少年漫画の主人公ポジションだから」
「まきなはヒロイン?」
「知らねえって」
「何と戦うの?色欲?」
「テロリストだよ!」
「いたっ!」
俺はヘルメット(自転車通学者に装着が義務づけられている)をかぶったまま引森に頭突きをした。
たしかに。
学校は、退屈だけど、毎日たのしかった。
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