('A`)はベルリンの雨に打たれるようです
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41: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/05/09(火) 13:32:33.26 ID:B042YGid0
この部隊の指揮官は案内された即席指揮所であるテントの中で、折りたたみ式の椅子にその瘦せぎすの身体を乗せて手元の地図を睨んでいた。
ほうぼうに好き勝手に撥ねるブロンズ色の短髪に子狐を思わせる少しとがり気味の横顔、鼻の頭にはそばかす。長身ではあるが力強さは微塵も感じられず、アサルトライフルよりはコミック雑誌でも持たせた方がおそらくよほど様になる。

俺とツンを先導した歩哨が、指揮官のすぐ傍まで行き耳打ちする。すると奴さんは此方を一瞥し、軽い調子で片手を上げた。

(=゚ω゚)ノ「イヨウ=ゲリッケだよぅ」

そう言って、奴は挨拶を終えた。……やや高い声といい若干幼い顔立ちといい、胸元に光る中佐の階級章と身長がなければ来年アビトゥーアを受ける予定の学生だと言われても信じてしまいそうだ。

(=゚ω゚)「ドク=マントイフェル少尉、並びにツン=デレフランス陸軍中尉。細かい話は抜きだ、とにかく人手が足りない。

君たちには早速前線で働いて貰うよぅ」

ξ;゚听)ξそ「ちょっ……いきなり!?というか、私のこと知って」

(=゚ω゚)「無駄話をしている暇はないよぅ。ベルリン東部一帯の掌握に成功したとはいえいつ全面崩壊が起きてもおかしくないよぅ。諸々の話は事態が収拾してから聞くよぅ」

ξ゚听)ξ「」

早口で語尾がやけにうわずった、いかにも神経質そうなしゃべり方でイヨウ中佐は捲し立てる。ツンは面食らった様子で黙り込んだ。

……まぁ、聞き心地のよい喋りとは世辞でも言えないが内容はド正論なので此方も合わせることにする。

('A`)「市内ドイツ軍・ベルリン市警の現在の稼働状況は?」

(=゚ω゚)「兵力だけで言えば凡そ一個師団相当、陸軍としての兵力は戦車道展の警備のために投入されていた2000名ほどだよぅ。ただし、この内組織的な戦闘を展開できている戦力はシュプレー川以東に展開している4000人ほどでしかないよぅ。

敵勢力に関しては現在把握される限りではフランス広場に重巡リ級elite、アムボス通りに戦艦ル級、タ級各一隻。それと、未確定ながら軽巡棲姫と思わしき存在と護衛のヒト型数隻がシュパンダウ方面で確認されているよぅ」

イヨウ中佐は地図の各所を矢継ぎ早に指さし、若干どもりながらも戦況を正確に述べていく。だが、地図には何も書かれておらず、報告書のようなものも辺りに見当たらない。

まさか、ベルリン市内の戦況全部記憶してるってのかこの人?



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