378: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/20(火) 00:21:15.08 ID:FxmbLDhi0
「………No, no, n」
無造作に腕を振り、直ぐ隣にいたもう一人の頭を粉砕しながら【彼女】は軽くため息をつく。
やはり、“アノ人間”がいなくなると退屈だ。他の個体は勇敢だし数も多いが、とてつもなく脆い上に“アノ人間”に比べて機転が利かない。ただ立ち向かってくるだけの獲物を潰す“作業”は、特に【全の意志】の憎しみに興味が無い【彼女】からすれば趣向に合わないのだ。
────マァ、仕方ナイカ。
「わぁっ!?」
_
(;゚∀゚)「クソッ……!怯むな!撃て!!」
【彼女】は軽くため息をつくような素振りを見せ、無造作に右手の主砲を放つ。また一つ戦車が燃え上がり、周囲にいた兵士達の射線が乱れた。
遊ぶことに夢中になって艦娘の突入を察知できなかった点や、その結果あらゆる火力を投入した集中砲火によって身動きが取れず中破まで押し込まれた点は彼女のミスだ。結果、策を思いついた“アノ人間”は動きを縫い止められている彼女を尻目に西へと向かった。
更に言うと、乗ってきたバイクを含めて他に“足”となり得る存在を破壊してしまったのは他ならぬ彼女自身でもある。
「り、リ級、此方に向かってきます!!」
_
(;゚∀゚)「退避、退避しろ!!」
姿勢を低くし、眉毛が濃い人間が率いる部隊に向かって突っ込んでいく。一人をひっつかんで遙か上空に投げ飛ばしつつ、彼女は再び深いため息をついた。
今から【姫】の元に向かったとて、“アノ人間”の策が成るにしろ成らないにしろほぼ確実に間に合わない。それに万一策が成った場合、いくら何でも川を渡った“同胞”達を孤立させるのもまずい。
セイゼイ、スグ全部潰サナイヨウ気ヲツケテ遊ボウ。
そう心に決めて、【彼女】は更にもう一人を蹴り砕く。
ふと、遙か東にも“凄い人間”がいるという話を思い出した。
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