376: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/19(月) 23:14:49.96 ID:3i1wtBQb0
【彼女】は、砲火の中で一人笑う。紅の瞳を細め、真っ白な肌に僅かに血の気を差し、口元を自然に綻ばせ、笑う。
凄まじい砲弾と銃撃の中でも聞こえてきた、“あの人間”の叫び声。後に続いた、乗り物のエンジン音。
それらを耳にした瞬間、彼が“何をしようとしているのか”を正確に理解した【彼女】の身体は、心は、歓喜に震えた。
────ソウダ。コレダカラ私ハ君ヲ見テイタインダ。
頭がキレて、圧倒的に不利な中でも考えることをやめず。
脆弱な存在のくせに戦い続け、いつの間にか戦況を互角以上に引き上げて。
何度絶望を突きつけても、直ぐに新たな策で立ち向かってくる。
あの痩せぎすな“人間”との戦いは、スリリングで、変化に満ち、この上なく楽しい。
艦娘なんかとの戦いよりも、ずっとずっと。
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(#゚∀゚)「あのクソバカもやし野郎の背中を守れ!!何としてもコイツをここで沈めろ!!」
ξ# )ξ「Feuer, Feuer, Feuer!!
アイツの指示を聞いたでしょ!?アイツがあそこまで言うってことは、絶対に何かが起きる!!その“何か”が起きるまで、死に物狂いでここを守りなさい!!」
「「「Jawohl!!」」」
他の人間達と駆逐艦と思わしき艦娘は、更に激しい攻撃を【彼女】に加える。障壁の出力が弱まり、四肢に装備される艤装から次々と火花や黒煙が吹き出し始めた。
「リ級elite、状態中破に移行!!」
(#><)「トドメを刺すんです!!絶対に火線を絶やすな!!!」
(#//‰ ゚)「ディープワン共を深海に叩き返せ!!」
自身の身体に浮かぶ損傷、周りの人間達の怒号、そして入り交じる火線。その直中で、恍惚とした表情すら浮かべて【彼女】は呟く。
ダカラ私ハ、君ガ愛オシイ。
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