367: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/15(木) 00:23:21.68 ID:qoUzhAK/0
(;'A`)「……前線よりCP、侵入した敵艦隊の概要を教えてくれ」
(=;゚ω゚)ノ《右翼、パンコウ区防衛線正面にリ級通常型2、ル級flagship1、タ級flagship1!
また左翼トレプトゥ=ケーペニック防衛線正面に、敵艦影1!》
(;'A`)「1……?」
中央の俺達と交戦するこのリ級もそうだが、あまりに戦力が偏りすぎている。無論ヒト型である以上一隻でも通常兵器相手には十分だろうが、それなりの損耗は強いられるはずだ。
(=;゚ω゚)ノ《………左翼の一隻は、過去に世界中のどの戦線でも確認されていない新型艦だよぅ》
俺の疑問を敏感に感じ取って、中佐は直ぐに補足を入れる。
(=;゚ω゚)ノ《詳細は一切不明だよぅ。身長は此方のZ1やZ3と同じ程度という点と、艤装が巨大な尾のような形をしているという点以外交戦している部隊の混乱が酷くて入ってこない。
コンツィ中尉が戦線の指揮を執っているけれど、左翼の損害拡大は右翼の何倍も早い。ポーランドから派遣されてくる陸軍部隊もピストン投入しているけれど、まるで止められる気配がないよぅ》
(ノA`)「………」
あまりにも絶望的な情報ばかりを突きつけられて、急速に痛み始めた頭を抑える。
例え新型艦であったとしても、ミルナ中尉の経験と指揮能力なら本来十分に対応ができるはずだ。少なくとも、損害を最小限に抑えつつの漸減戦闘程度はわけなくこなせる力があの人にはある。
それが適わぬほどの戦況ということは、“新型”とやらが尋常ではない、まさに規格外の戦闘能力を持っていることの証左。
('A`)「………………」
(*;゚∀゚)「………ドク?どうしたきめー顔して」
('A`)「元からだよ。というかせめて恐い顔にしてくんない?」
同時に、もう一つ気づきざるを得ない事実がある。敵艦隊にそこまで押し込まれているのなら、レーベレヒトだけではなく最早ビスマルクやグラーフも温存する余裕はないはずだ。にもかかわらず、両翼に展開するのはポーランドとドイツの陸軍部隊のみ。
つまりこれは、“艦娘が受ける損害”を最小限に抑えるためのいわば時間稼ぎ。
対深海棲艦兵器として最も有用な存在を確実に逃がすための、“必要な出血”。
('A`)「………ビスマルクとグラーフは、よく納得しましたね」
(=゚ω゚)ノ《……………君ほどの力を持つ尉官と戦えたことを、僕は誇りに思うよぅ》
ベルリン放棄の、下準備。
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