351: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/11(日) 23:51:15.43 ID:JslRmT7e0
(;'A`)「【Astro Boy】かっての!!」
直ぐに地面から飛び起きてもう一度リ級に射撃を加えつつ頭を過ぎったのは、ガキの頃にちらりと目にした日本の古いアニメーション。そのアニメの主人公である少年型の高性能ロボットは、テレビ画面の中で10万馬力のパワーを振るい悪役達を次々とぺしゃんこにしていたのを覚えている。
ただし、世界的に有名なコミック・アーティストが生み出したそのロボットは正義の味方であり、決して人間に拳を振りかぶることはない。
『────♪♪♪』
…………それに俺の記憶が正しければ、悪役をぶちのめすときにしてもこれほど獰猛で凶悪な笑みを浮かべて武力を行使してはいなかったはずだ。
『────!!!』
(;'A`)「っ………ぐぁっ!?」
ほとんど零距離射撃だったはずだがやはり微塵も影響はない。拳を地面から引き抜くや否や飛びかかってきたリ級は、今度はぐるりと体を捻り回し蹴りをかましてくる。
身をかがめて躱すが、風圧だけでも首がもぎ取られるのでは無いかというほど凄まじい衝撃が走る。堪えきれず、そのままごろごろと数メートルにわたって水浸しの路上を転がる。
「※※※※!!」
『────』
俺が離れた隙を突いて、ポーランド軍のハンヴィーが機銃掃射をかける。が、リ級は其方を見向きすらせずに艤装だけ構え、砲撃。火柱が上がり、銃声が止まった。
「少尉、離脱を……がっ!?」
「Ah………」
今度は海兵隊とドイツ兵が数人ずつ、両側から挟み込むように展開して牽制射撃。リ級は両腕の機銃を同時に放って彼らをなぎ倒しながら、なおも俺を追撃する。
( A ;)「うぁっ────!?」
『〜〜♪』
ようやく起き上がりかけていた俺に、奴の拳が迫る。咄嗟に横に転がって直撃こそ免れたが、先程より遙かに近くで感じた拳圧は爆風のそれと大差が無い。
゚∴・( A ;)「ゴアハッ……!」
衝撃で再び身体が浮遊し、叩きつけられた場所はさっき俺が蹴倒した奴のバイク。呼吸が止まり、背中と脇腹の辺りでビキリといやな音がした。
ξ;゚听)ξ「ドク!!!」
(;<●><●>)「少尉!!」
ティーマスとツンの叫び声に続いて、四方でアサルトライフルや機関銃の乾いた発射音が重なる。幾十の銃火が障壁上で爆ぜるが、それらを意に介す素振りすら見せずリ級は満面の笑みを浮かべながらゆっくりと俺に向かって歩いてくる。
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