31: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/05/08(月) 22:55:35.24 ID:vhkD1UQdO
レヒフェルト航空基地の滑走路に、次々とUH-1/D?イロコイが着陸していく。
機内から降り立つ兵士達も、それを迎える側も一様に表情は暗く険しい。彼らの多くはベルリンや、或いは自身の故郷が────即ち祖国ドイツが現在どのような状況下を正確に認識していた。更に言えば、この事態が半ば“人災である”という点にも、一部の兵士達は気づいていた。
(?゚д゚?)「…………やはり、そうか」
〈::゚−゚〉「あぁ、完全なヒューマン・エラーだよ」
早々に滑走路を後にし、ブリーフィングルームへ直行していたミルナ=コンツィもまた、“勘づいていた”内の一人だ。彼の予測は、廊下で一緒になった同僚からの申告によって“事実”にたった今変わった。
〈::゚−゚〉「警戒網をかいくぐったヒト型の深海棲艦複数体が沿岸部から国内に侵入していた可能性は、海軍は昨日の内に既に把握していたそうだ。
ただ、問題が発覚すれば自分のキャリアに傷がつくとマモン元帥が現場の艦娘と提督達に箝口令を敷いてね。極秘に見つけ出して始末するつもりだったようだが、結果はご覧の有様さ」
(?゚д゚?)「そこまで正確な情報が入ってるとなると、エラーはこっち側にも責がありそうだな」
〈::゚−゚〉「当然。私たちの上層部は、海軍が陸戦隊や艦娘を内陸に動かしていることに早い段階で気づいていた。ただ、彼らの愉快な思考回路はその光景を見て“国家と国民の危機”ではなく“海軍を追いおとすチャンス”だと考えた。
彼らは、海軍の失敗がより致命的なものになるまで泳がせておくことにした」
(?゚д゚?)「…………そして、陸海が予想してたよりも遙かに多くの深海棲艦が入り込んでいた結果、通報も民間への警報も戦力の編成も何もかも後手に回ってこのザマか」
ミルナは意図的に、深く深くため息をつく。そうして落ち着いておかないと、彼はまず部下達にコブレンツの陸軍指揮司令部への攻撃を命じかねなかったからだ。
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