3: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/05/08(月) 12:10:19.94 ID:N84Ou5maO
「当店は禁煙です」
('A`)「……あー、すまない」
何の気なしに取り出した煙草を、横から伸びてきた手がかすめ取る。
絶対零度の視線で口元にだけ笑みを貼り付けたウェイトレスに頭を下げると、彼女はツンッと顔を背けて足早にその場を去って行く。
('A`)「……Verdammt」
ウェイトレスが十分に離れた辺りで、聞こえないように小さく悪態をつく。仮にも軍人が情けない話だが、そもそも非が此方にある以上強く言えないのが現実だ。彼女はあくまで職務を全うしたに過ぎない。
('A`)「くたばれ禁煙法」
やり場のない怒りを、とりあえず10年前に施行された今世紀最悪の悪法にぶつけることにする。
まぁ10年前の段階では俺はまだ煙草のうまさを知らなかったわけだが、Marlboroがティーマスの次に掛け替えのない相棒となってしまった今は「喫煙者に対する人種差別」の深刻さを身を以て感じる日々だ。
('A`)「……朝飯食うか」
喫煙者の社会的地位を取り戻すにはどうすればよいか真剣に頭を悩ませつつ、厚焼きのベーコンをフォークに突き刺しスクランブルエッグに絡めつつ口に運ぶ。
ベルリン屈指の高級ホテル備え付けカフェだけあって、味は最高だった。
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