27: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/05/08(月) 22:41:04.57 ID:vhkD1UQdO
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真下から門に向かって放たれた、重巡洋艦の主砲撃と同程度の威力を持つ一撃。積み重ねた300年の歴史とやらは、その前にはあまりにも無力だ。
門は上部中央を破砕され、両断状態となった支柱は音を立てて崩れていく。
そして────“真下からの砲撃”によって上空に撃ち上げられるかたちとなった門の残骸が、迫撃砲弾のような軌道で周辺へと降り注いだ。
「────えっ」
「……は?何?うs」
ツンを庇って地面に伏せる俺の周りで、事態を飲み込めぬまま石の弾丸に人間が叩きつぶされるしめった音がいくつも雨音をかき消して聞こえてくる。噎せ返るような血の臭いが、一瞬で広場に充満した。
ξ;゚听)ξ「……ドク、いったい何が」
(#'A`)「逃げるぞ!!立て!!」
ξ;゚听)ξそ「あ、えっ?」
瓦礫の飛翔が納まったのを確認し、まだ理解が追いついていないツンの腕を引いて立ち上がらせる。
走り出しながら背後を見やると、リ級eliteはニヤニヤとからかうように笑いながら此方に腕を向けていた。
(;'A`)「────皆、散れーーーーーーーーっ!!!!」
ξ;゚听)ξ「きゃあっ!?」
未だにボケッと突っ立っている広場の奴等に向かって絶叫しつつ、ツンを抱きかかえて先ほど落下してきていた瓦礫の影へと転がり込む。下敷きになっている紅い染みと白い脂肪、それから左手が眼に入ったが気にしている暇はない。
『♪』
熱と鉄の塊が、リ級eliteの右腕艤装から吐き出される。第4世代戦闘機の装甲をも引きちぎる威力と速度を誇る弾丸が、雨粒を切り裂いて先ほどまで俺たちが居た場所を駆け抜けていった。
「ふぁっ」
「ああああああああああえあっ!!!!?」
叫び声に反応した幾らかは、俺の後に続いて物陰に飛び込み避けられたようだ。だが、そうできなかった奴の方が遙かに多い。
ξ;゚听)ξ「っ」
射線上の人体が引き裂かれ、砕かれ、意思がある人間から物言わぬ肉塊へと姿を変えて路上に横たわる。響き渡る断末魔に腕の中でツンの身体がびくりと震えた。
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