('A`)はベルリンの雨に打たれるようです
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255: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/05/25(木) 11:43:57.86 ID:Rz3NgEnD0
第三陣以降による前衛艦隊への支援射撃はなおも続いている。俺たちの周囲に飛来する砲撃は散発的で、大半の砲弾は遙か頭上を飛び越えてベルリン東部に集中した。

味方の迫撃砲隊も果敢に撃ち返しているが、数十隻の「艦隊」と本格的な砲撃戦となれば手数も威力も圧倒的に足りない。

《トレプトゥ=ケーペニック区、敵の砲撃が激しさを増しています。120mm砲一門を直撃弾により損失しました》

《パンコゥ区、高層観測第6班待機所に敵艦砲射撃直撃!通信途絶!》

《プーマ六号車、至近弾多数!陣地転換急げ!!》

《フリードリヒスハイン区、敵艦砲射撃直撃により死傷者多数!衛生班を至急寄越してくれ!》

(;'A`)「……っ」

無線から次々と飛び込んでくる本格的な被害報告。だが、これはこっちにとって予想外でも異常なことでもない。

此方の優勢は、「艦娘戦力を早期に南から引きずり出したい」という向こうの思惑やそれを逆手に取った作戦、そして何よりもそれらが奇跡的にかみ合った運によって支えられてきたものだ。言うなれば、今までの極僅かな損害と優位な戦況こそ“異常”。

《第五高層観測班も敵艦砲射撃により沈黙!おそらく全滅!》

《視点が減ると戦況に支障が出るぞ!新手をビルに上がらせろ!!》

《機動警察の小隊待機地点に直撃弾!8名死亡、2名重体!!》

《こっちも二人やられた!一方的に撃たれている!》

今の状況は、深海棲艦と人間の本来の力関係に基づいた“正常”な光景だ。

《第2班より指揮車、敵前衛艦隊の一部を捕捉!これより攻撃を開始する!》

《第3班、交戦開始!!気をつけろ、ト級のflagship付きだ!!》

……そして、本当に、本当に吐き気がするような事実として。

《……Z1 Leberechtより前線指揮車、たくさん陸軍の人たちや警官隊が周りで、目の前でやられてる!僕らに援護射撃の許可を!!》

('A`;)「前線指揮車より艦隊各位に伝達、砲撃は許可できない」

俺の立場からすれば、シュプレー川の向こう岸で深海棲艦の砲撃で吹き飛び死んだ味方の存在を。

('A`#;)「現在、作戦は“順調に推移”している!Bismarck以下全艦引き続き弾薬の温存と敵砲撃の回避・防御に努めろ!繰り返す、全艦引き続き艤装の弾薬を温存せよ!」

《……そんn……っ、Jawohl!!》

敵が「計算通りの場所に食いついた証」として、喜ばなければならない。


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