218: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/05/20(土) 12:27:26.09 ID:otGQSIH90
「────Attention!!」
雨の中に佇む、「世界最強の部隊」の名に相応しい鍛え抜かれた体躯を持つ200人。彼らは副官の号令に従い、一斉に彼らの指揮官────サイ=ヨーク=ヴォーグルソンの方を向く。
(//‰ ゚)「────俺たちはこれより、在ベルリンドイツ軍の指揮下に入りこの街の奪還作戦に参加する!!」
何の前置きもない、いきなりの宣言。だが、誰も動揺は見せない。それは彼らの隊長の「いつもの姿」だからだ。
(//‰ ゚)「先に言っておく、俺たちの勝算は薄い!なぜなら敵は手強く、多く、そして賢い!!
俺たちの側には10人の艦娘が着いているが、奴らはその何倍か見当もつかん!!戦艦はただの一隻だ!!
俺たちは彼女らの盾となり、囮となり、そして死ぬために作戦に赴く!!
それも祖国の地じゃない!遠く離れたヨーロッパの、俺たちには縁もゆかりもない場所で、言葉を交わしたことすらない人々のために俺たちは死ぬ!!」
飾りもごまかしもない、厳しい任務の宣告。だが、誰も恐怖は見せない。それは彼らの部隊の「いつもの任務」だからだ。
(//‰ ゚)「だが、俺たちはアメリカ海兵隊だ!!
俺たちの任務は、“敵”を殺すことだ!!そして今、この街にいる深海棲艦の奴らは、間違いなく俺たちの敵だ!!」
サイは、真っ直ぐにベルリンの西側を指さす。
黒煙が濛々と上がる街並みを指し示しながら、彼の眼は怒りに燃えていた。
(//‰ ゚)「奴らに殺されたのは、顔も、名前も知らない人々だ!だが、同時に、生きていたとしたらどこかで俺たちのかけがえのない友になったかも知れない人々だ!」
(//‰ ゚)「任務に疲れた俺たちと、どこかの街角で美味いビールを酌み交わしていたかも知れない人々だ!!」
(//‰ ゚)「軍を退役した俺たちと、ポップコーンをかじりながらTBLの試合を見ていたかも知れない人々だ!!」
(//‰ ゚)「今日この日がなければ、明日も明後日も、1年後も10年後も、どこかで誰かと笑い合っていた人々だ!!」
(//‰ ゚)「あの化け物達が奪ったのは!顔も名前も知らぬ人々の、だが間違いなく存在した命だ!!」
理性も理論も無い、感情的な叫び。だが、誰も怒りの表情を隠さない。
全員が、サイと同じ気持ちだからだ。
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