195: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/05/18(木) 18:28:55.74 ID:qcFlP+vx0
('A`)「にしても、あんたもドイツ語が上手いな」
(//‰?゚)「母親が戦車道の関係者でね、11歳から3年間役員としての仕事の関係で親に着いてこっちに来ていた。
友達も多かった、俺にとってドイツは第二の故郷だ」
サイ大尉は、ふと視線を目の前の西から延びてくる人の列に向けた。
「急ぐな、急ぐな!今深海棲艦の攻撃は来ていない!ここから先は軍と警察の防衛ラインだ!既に艦娘も来ているし南から友軍の増援も到着しつつある!」
「俺たちはアメリカ海兵隊だ、外国も友邦ドイツを見捨ててない!今はとにかく東に逃げろ!まだ深海棲艦の手も及んでいない!
10km先にはドイツ警察と消防の生き残りが避難誘導の非常線も引いてる!車両による避難民移送も開始された!」
主力艦隊に大きな損害を受けた深海棲艦は、此方が艦娘戦力───それも、空母・戦艦を含む10隻と合流したこともあってか現在活動を沈静化している。
空爆も収まり逃げる隙ができた中で、西側で逃げ遅れていた人々が再び此方へ向かって避難を再開していた。ドイツ軍とベルリン市警に加えて、サイ大尉指揮下の海兵隊も避難誘導を手伝ってくれている。
西側からの避難者の中には生き残っていた陸軍や警察の残存部隊の姿もあり、彼らの中でまだ戦闘可能なものは戦力として各区画に再配置された。
「怪我人、病人、それから子供と老人はこっちに!向こうに移送用の車両が用意してある!」
「あくまで身体が弱っている者だけだ、健常者は悪いがこのまま東に歩いてくれ!さっきも言ったとおり10km先でも移送は行われている、慌てなくていい!」
東部や中央で乗り捨てられていた車両や破壊を免れた警察車両、それから輸送トラックなどを挑発して避難民の一部を移送するよう手配したこともあり、先ほどまでより民間人の避難は格段に順調にいっている。艦娘到着の噂が流れたことや実際にアメリカ軍が展開している事への安堵もあってか、避難民同士での諍いや特に懸念されていた車両移送の権利を奪い合うような事態も発生していない。
('A`)「………」
ただ、彼らの表情は一様に暗く、重く。
何よりも、今日ベルリンに詰めかけていたであろう人数からすると、その数はひどく少なかった。
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