184: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/05/18(木) 01:04:27.46 ID:qcFlP+vx0
(’e’;)(………この件について考えるのは後だ。今は作戦に集中しよう)
首を振って迷宮に陥りかけた思考をCICまで戻す。
絶対に考察が必要な事項ではある。だが、それは今この瞬間ではない。
自分に与えられた任務は、深海棲艦に関する科学考証ではない。ドイツ・フランスを中心とした北欧の奪還と、ロシア連邦による核発射の阻止だ。
(’e’)「ドイツ北部、沿岸部強襲部隊の状況は?」
「流石に一方的勝利にはほど遠いですが、現状優勢です。各攻撃地点、アイオワやサラトガの支援もあり順調に強襲部隊が取りついています」
「ベルリン市強襲突入のために派遣した海兵隊並びにBismarck、Graf Zeppelinは何れも無事同市郊外に降下したと護衛の航空隊から報告がありました。
ベルリン市は通信が妨害されているため報告は受けられませんが、時間的には市内の残存戦力や南部からのドイツ軍増援部隊と合流している頃かと」
(’e’)「そうか……各ドイツ軍鎮守府との連絡も密に取れ。応答のある場所は優先的に救援する」
スクリーン上に映し出された、北欧における指揮下部隊の攻勢状況を見て少しだけ肩の力を抜いた。
深海棲艦の反撃は苛烈だが、広域の大規模攻勢は戦力を大きく分散させてしまったらしく報告に上がる敵兵力はどこも決して大きくない。ルール地方の制空戦失敗は衝撃的な知らせだったものの、全体として戦況を見直せば僅かずつだが挽回の目は見えつつある。
(’e’)(“ヒト型”の数が多いのは厄介だが、このまま行けばノルデン方面を中心に橋頭堡の確保は十分できる。
後は主力陸戦隊の上陸と空軍と連携した浸透作戦を行えば、ルール地方にも地続きで侵攻が可能か)
南方のベル=ラインフェルト大佐率いるドイツ軍とは連絡を取り合っているし、西ではフランス軍もなんとか体勢を立て直し防衛ラインを形成することに成功したらしい。ルクセンブルク、ベルギー、デンマークなど未だ危機的な地域が多いのも事実だが、これらに攻撃している深海棲艦は数的にも編成的にも枝葉の群体だ。
ドイツ・フランスの中核的な敵拠点を抑えれば、すぐに立ち枯れになる。なんとかオランダ軍に踏ん張って貰うしかない。
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