('A`)はベルリンの雨に打たれるようです
1- 20
163: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/05/16(火) 02:40:44.96 ID:9hQehj8k0
「…………」

なんか残念な感じの艦娘()の足下で、ティーガーのキューポラから顔を出している車長と思わしき少女はどうやら生身の人間のようだ。

赤みがかったツインテールの髪に、ブラウンのぱっちりとした瞳。頬はうっすらとピンク色が入り、顔立ちは東洋の血が入っているのか少し幼く感じる。少し聞こえてきたやりとりを推察するに、エミというのが彼女の名前なのだろう。

女の子───エミは、仏頂面で戦車の上に頬杖を突き、黒煙が上がり続けるベルリン市街地を眺めていた。

この間に、しっかりとした方の艦娘────ドイツ連邦海軍空母、グラーフ・ツェッペリンは戦車を降りてミルナ中尉と握手を交わしている。

「よくこれだけの部隊が生き残ってくれていた。

マース、オイゲン、お前達も頑張ったな」

「あ、いえ。違うんですグラーフさん」

「私とレーベは、南に展開している残存部隊から派遣された増援なの。他に、レーベは後二隻、マックスも四隻来てるわ」

(?゚д゚?)「ドイツ全域で言えば、北部全土は事実上失陥したと言っても過言ではない。今、ドイツで組織的な抵抗が展開し得ている軍は南方と、それからベルリン市のシュプレー河以東だ」

ミルナ中尉はそう言って、グラーフさんとティーガーの上の艦娘()───相変わらずふんぞり返ったままのBismarck?zweiを交互に見た。

(?゚д゚?)「寧ろ、お前達こそよくここに来られたな。

ヴィルヘルム=スハーフェンですら通信途絶している状況下だ、奴等も戦艦と空母は徹底的に潰すと踏んでいたが」

「私とあのビスマルクは、大西洋警備の任に着いていたからな。かえってこの襲撃をうけることを回避できた。

我々はアメリカ第六艦隊と合流。極秘裏に海兵隊に同行する形でベルリン近郊に空挺降下し、作戦行動中に彼女たちを保護した」

グラーフさんはそう言って、ティーガーを親指で差す。

「戦車道展のイベントの関係で此方に来ていたところ、深海棲艦の襲撃をうけてホテルの地下に避難していたそうだ。全容は把握できていないが、ベルリンの西部や北部には彼女たち同様取り残された市民がまだ相当数いるぞ」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
496Res/494.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice