156: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/05/16(火) 00:16:10.47 ID:9hQehj8k0
私たちとル級が交戦する区画に飛び込んできた、二つの人影。後続している金髪の少女が、背負っていた艤装を駆動させ4門の砲を一時にル級めがけて放つ。姿勢が安定しきらないうちに放ったこともあってか、命中は一発にとどまる。
だが、一発でも戦車の滑空砲とは威力が段違いだ。“軍艦”による一撃を背後から浴び、ル級の姿勢が再び崩れた。
「食らえっ!!」
『ウッ……』
再び地面に転びかけながら、右手の艤装を杖代わりにしてなんとか堪えるル級。その横を全速力で駆け抜けながら、先行した銀髪の少n……少女が右手の連装砲を構えて追撃を加える。
『グゥッ……』
先ほどの金髪の子による一撃よりも、爆発は遙かに小さい。それでもダメージはあったらしく、ル級の表情が怒り以外の感情────苦痛によって歪んだ。
『ア゛ア゛ッ!!!』
「っと!」
崩れた体勢で主砲を放つことはかなわず、やむなく機銃掃射での反撃。銀髪の少女は横っ飛びで射線を躱し、そのまま路上で一回転。素早く身体を起こして、ル級の前方へと回り込む。
『…! ……ッ!!』
一瞬で、それも艦娘に挟撃の形を作られたル級が、初めて本気で動揺していた。
「そっちの戦車、在ベルリンドイツ軍の!?」
ξ゚听)ξ「ええ、私はフランス人だけどね!」
「そうですか、間に合って良かった!!」
ボーイッシュな服装の銀髪の少女は、そう言って微笑みつつベレー帽を被り直す。
ちらりと、帽子に書かれた「Z1」の文字が見えた。
「ドイツ連邦海軍所属の艦娘、駆逐艦【Z1?Leberecht?Maa?】です!!
レヒフェルト空軍基地より、第1波増援軍として派遣されました!!以後、貴軍との連携戦闘に移ります!!」
ξ゚听)ξ「………っ!援軍感謝するわ、支援は任せて!!」
思わずこみ上げてきた熱い何かをなんとか堪えて、私はレーベレヒトからの言葉にそう答える。
作戦の直前、ドクが言っていた意味が少しだけ解った。
微笑みと共にかけられた言葉は、神の啓示よりもよっぽど優しくて。
『Feuer?!!』
圧倒的な力を持つ化け物に立ち向かう姿は、神様よりよっぽど頼もしい。
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