33: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2017/05/08(月) 00:29:11.12 ID:6an8YmUi0
「それはそうと、どう? マフラーの進み具合は」
「ああ、うん。それが、まだこれだけなの。ごめん」
ヴィネットは編みかけのマフラーをカゴから取り出す。
確か前回は八段ほど進んでいたので、進んだのは四段ほどだろうか。
「そうなんだ。途中でわからなくなっちゃった?」
「いや、やり始めたら、そこそこは進むんだけど、始めるまでに家事とか宿題を終わらせようと思うと、なかなかね」
「なるほど。時間が取れそうにないなら、もう少し短時間でできるものにする?」
「いや、時間はあると思うのよ。でも、なんとなくぐずぐずしてしまうというか」
その感覚は少しわかる気がする。
新しく服を買った時には、なかなか袖を通す踏ん切りがつかないものだ。
一度着てしまえば気恥ずかしさもなくなり、週に一度は着るようになったりもする。
勉強しないといけないと思うほど、ついだらだらとテレビを見たりしてしまう。
着火にはそれなりにエネルギーが必要だ。
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