218: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2017/05/08(月) 02:16:02.12 ID:6an8YmUi0
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「サターニャさん、ついてきてくださいね」
私はラフィエルに連れられて廊下を歩いていた。
手には昼食とチョコの包みを持っていて、彼女はカバンごと持ってきていた。
彼女の背中を見ながら階段を上がっていくと、
私が入学したての頃に慣れ親しんでいた場所へとたどり着いた。
「こんなところで食べるの? まあ、いいけど」
「いえ、まだ到着じゃありませんよ。紐が渡してありますが、またいでください」
「え、そこってほこりっぽいだけよ?」
階段の屋上へと続くドアのある踊り場は、立ち入り禁止と張り紙をされたロープが掛けられている。
物理的に乗り越えることは容易だが、心理的には結構障害物になるらしく、
生徒たちが立ち入らないため薄くほこりが積もっている。
何故それを私が知っているか……それは、聞かないでほしい。
ラフィエルはその閉じっぱなしの改札をやすやすと乗り越え、ドアノブに手を掛ける。
「外で食べるごはんは、きっとおいしいですよ」
吹き込んだ一陣の風が私の頬を撫でた。
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