島村卯月「マーキング」
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80:名無しNIPPER[saga]
2017/05/20(土) 05:53:25.47 ID:lmMBAEis0
「……悪いが、それは無理そうなんだ」


頭を掻きながら、プロデューサーさんはバツの悪そうに言いました。


「俺も着いて行きたかったが……美穂と響子を放っておく訳にはいかなくてな」


「……はい」


『何で、二人の心配はするのに……私の事は、考えてくれないんですか?』


『私の事は、放っておいても……いいんですか?』


「俺が着いてやれない分は、他の二人のプロデューサーに頼んである。何かあったら、その二人を頼ってくれ」


「……はい」


『他の誰かなんかが、何の役に立つというんですか?』


『私が頼りたいのは、プロデューサーさんなのに……何で、分かってくれないんですか?』


「とはいえ、卯月なら大丈夫だろう。俺なんかがいなくても、いつも通りにやれるな」


「……、は、い」


『……』


プロデューサーさんの言葉を聞く度に、自分のスカートの裾を握る手の力が強まっていきました。


そうして我慢していないと、抑えられなかったからです。


自分の我が儘を貫き通そうと、何かしらをプロデューサーさんに向けて、言ってしまいそうだったから。





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