島村卯月「マーキング」
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68:名無しNIPPER[saga]
2017/05/14(日) 06:18:41.24 ID:+BjxyteV0
「響子ちゃん……の、ソロでの企画……ですか?」


「響子が得意な家事をメインに置いてな。これが成功すれば、初のレギュラー番組になりそうだ」


嬉々として語るプロデューサーさん。それに対し、私の胸中は暗雲が立ち込めてきました。


私だって、嬉しくない訳ではありません。


同じアイドルの……同じユニットの仲間が活躍できるのですから。


でも……それとは裏腹に、複雑な心境なのでした。


企画がもし、軌道に乗った場合……今よりももっと、プロデューサーさんと会えなくなる。


そんな予感が……私の脳裏にふと、よぎったのです。


「きっと……響子ちゃんも、喜ぶでしょうね」
『喜ぶ? 私はちっとも、そんな気はしないのに?』


「そうだといいけどな。とりあえず、今から響子も伴って、打ち合わせてくるから……こっちは美穂と二人で、頼んだぞ」


「はいっ、任せて下さい」
『そんなの嫌です。わたしはもっと……プロデューサーさんの傍にいたいんです』


私にそう声を掛けると、プロデューサーさんは片手を上げ、行ってくるとばかりに手を振りました。


そんなプロデューサーさんを、私は笑顔を作り、見送ります。


無意識に浮かぶいつもの笑顔では無く、取り繕う様な作った笑顔。


自分の裏で湧き上がるどす黒い感情を知られない為に、必死になって偽ったのでした。





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