185:名無しNIPPER[saga]
2017/10/05(木) 01:17:42.12 ID:k+EUzKyZ0
「それにしても……最近の卯月ちゃんは凄いね。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いって感じじゃないかな」
「そ、そんな……私なんてまだまだ……」
「いやいや、謙遜する事は無いよ。それぐらい今の卯月ちゃんは凄いんだって」
まるで私の事を理解しているかの如くの発言。
歯の浮く様な言葉に不快感が露わになってしまいそうでしたが、心の内に抑えて表には出さない。
何を知った上でそんな事を言ってるのか分かりませんが……とりあえず、何も言わないで話を聞いておく事にしました。
「あのライブの後から人気爆上げだし、このままいけばトップアイドルも夢じゃないと思うんだ」
トップアイドル。私の憧れだった称号。少し前までは、届くかどうか分からなかった高みの位置。
それが今、私の手の届きそうな距離にまで近づいている。
中間辺りの位置でフラフラとしていた私なんかの手に。
現状での私の人気を考えると、あともう少し頑張れば辿り着けそうにも思えました。
けど、今の私にとって……トップアイドルなんてものはどうでも良かった。
言ってしまえば、勝手に付いてくるおまけみたいなもの。
そんな称号を手にした所で、何の価値があるというのでしょうか。
それよりももっと……もっと大切で大事なものがあるというのに。
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