454:名無しNIPPER[sage]
2017/09/27(水) 19:37:48.38 ID:JB4A+Idt0
29話 王道を貫く信義
「なんてザマだ....」
鏡の中の月に照らされたゾルダの背後には夥しい量の血がこぼれていた。
先程のデストワイルダーの渾身の一撃は深々とゾルダのスーツを切り裂き
並のライダーであれば一撃で即死してもおかしくない深手を与えていた。
(先生なら、きっとこんな無様を晒す事なんかない....)
そう考えながらも、ゾルダは神崎士郎からリュウガが受け取ったのとは
また異なる「恩恵」を自らの身に行使する事に決めた。
「HEAL」
赤い十字架が描かれたカードをマグナバイザーにベントインする。
士郎が吾郎へ渡した傷を癒やすカードの効力がすぐに発揮される。
体力こそ回復しなかったものの、先程の戦闘で受けた大小の怪我や打撲の
痛みが全て消え去るのが身体で理解できた。
「助かった...」
安堵のため息をついたゾルダは、次の一手をアビスとタイガの二名に
どう仕掛けるのかを考え始めた。
序盤の奇襲は確かに上手く行ったものの、結果として虎の子の姿を消す
クリアーベントを失ったのはかなり痛かった。
神崎士郎と手を組んだ以上、カードに不足は全くない。
加えてこちらには戦況を一瞬で破壊できる切り札が存在している。
自分にとって、どういう勝ち方が一番勝率が高いのか?
このまま圧倒的なカードの枚数差を利用して力押しをするのか?
それともユナイトベントによる合体モンスターで速攻で片をつけるか?
どちらにせよ、自分の勝利を確信するにはまだ早すぎる。
(まずは相手に先に切り札を切らせる。そこから反撃だ)
そう結論づけたゾルダは、デッキからカードを引き抜き再び戦場へと躍り出た。
485Res/614.50 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20