41:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/24(月) 00:15:58.01 ID:WOJJWRsc0
「うっ...ぐっ...あああ...」
「なんで、だよ...あんた、俺の親父でもないくせに...」
「どうしてそんなに誰かのことを考えられんだよ...」
100円の値引きシールの貼られた幕の内弁当に大粒の涙がこぼれる。
「涙で味が分からなくなるじゃんか...なんだよ、なんで...なんで...」
あの時、もしも自分が監督と一緒についていっていれば...
いや、結末は変わらなかったに違いない。
ただ、次の日に行方不明者の欄に自分の名前が記載されるだけだろう。
「ううっ...クソっ...クソッ...」
今まで流してきた涙よりも熱いその涙の名前を満は知らない。
だが、決してなくしてはいけない何かが満の中で芽生え始めた。
「ミラーモンスター...アイツ等は絶対に許さねぇ...」
今の自分はあまりに非力だ。
職場の仲間を殺したミラーモンスターを討つのに、自分もその化け物と
同じ力を得なければ仇を取れない。
だから今、少ないながらもできることから始めよう。
「そうだ」
残りの幕の内弁当を掻き込んだ満は、先程受け取った紙に書かれた
須藤の電話番号のボタンを押していたのだった。
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