316:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/30(日) 12:07:53.81 ID:DSAJ+Ylu0
「ふぅ...」
タイガが階段を登って地下通路から出て行くのを確認した王蛇は香川との
戦いを再開すべく、再び炎の障壁を展開して邪魔者が入らないように場を
整えた。
「良いんですか?」
「貴方にとって一人でも殺すライダーが減るのは好ましくないのでは?」
絶体絶命の窮地に追い込まれているにもか関わらず、香川英行は余裕を
崩すことなく、目の前に立つ王蛇サバイブに好戦的な笑みを向ける。
「はっ、確かに獲物が減るのは業腹極まりない。が、奴は小物だ」
「俺が手をかけるまでもない」
「その点、アンタはアイツと違ってギリギリまで殺し合えるからな」
「正々堂々からほど遠い貴方の口からそんな言葉が出るとはね...」
「ふふふふふふ...」
「ハハハハハハハハ」
策は破れ、孤立無援の絶体絶命の窮地に追い込まれながらも香川英行は
目の前のライダーとの戦いに、今までにない程に心が沸き立ち血が滾るのを
感じていた。
(結局、英雄も怪物も戦いにおいては等しくライダーということですか)
「香川、気が付いているか?」
「上を見ろ」
浅倉が指さした方向に目を向けると、そこには現実世界で破壊した筈の
カーブミラー、天井についたガラス張りの照明器具、そしてトイレの中に
ある鏡まで苦心して浅倉威を追い込むために取り外し、破壊した全てが
時を巻き戻されたかのように蘇っていた。
「ハハハハハ。鏡の世界で鏡を壊すのはタブーらしいな」
「ふむ。どうせやるならフェアに殺し合え。ということですね」
「いや、神崎の奴が時を弄ったんだろう」
タイムベントの存在を浅倉威が知っている事に少し驚いた香川だったが、
時が巻き戻され、停止した状況に置かれた今こそが浅倉威を討ち取る
最後の機会なのだと改めて認識した。
「ええ、そういう事なら時が動き出すまで目一杯愉しめますね」
「ならば!獣同士、どちらかが死ぬまで存分に殺し合いましょう!」
理性の箍とオルタナティブ・ゼロに掛けていたリミッターを全て外した
香川英行はデッキから今まで誰にも見せたことのないカードを引き抜く。
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