佐野満「えっ?強くてニューゲーム?」
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297:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/30(日) 11:52:17.34 ID:DSAJ+Ylu0
「っぁ!」

「へぇ、これってビームなんだ」

 ギガホーンから放たれた緑色の光線にニヤリと笑った秀一は両手に構えた

マグナバイザーとギガホーンによる精密な射撃で相手に攻撃をさせること

なく一方的な蹂躙を始めたのだった。

「うわあああああああ!!」

 圧倒的な経験差と実力差に圧倒された仲村は、歯痒い思いをしながら

防戦一方の最悪な状況に自分が追い込まれていることを悟った。

 前に出て斬りかかろうとすれば、小回りの利くマグナバイザーで牽制され

後ろに下がってカードを切ろうとすれば、火力で勝るギガホーンの光線が

それを許さない。

(考えろ、考えるんだ...なにか、なにか盾になるもの...盾?!)

 マグナバイザーの弾丸が自分の右肩をかすめた時、オルタナティブの

頭の中に一か八かの閃きが舞い降りた。

「調子に乗るな!」
 
 逃げることを止めたオルタナティブはゾルダに相対し、自分の持つ

スラッシュダガーに炎を込めた遠距離からの斬撃を見舞った。

「無駄だって言って...」

 悪足掻きをせせら笑うゾルダの顔が引きつった。

 今、自分とオルタナティブが戦っているのは幅4m程度の歩道だった。

 バイクに変身して相手を攻撃するオルタナティブにとって、この狭さは

脅威でしかないが、必ずしもその脅威が逆転に繋がらないとは限らない。
 
 オルタナティブの放った斬撃の対象はゾルダではなく、その近くに

あった大きく育った街路樹の幹だった。

「しまった!」

 ベルデのスペックはオルタナティブよりも劣る。

 それ故に一方的に銃撃を浴びせられるガードレールで保護された歩道を

秀一は戦場に選択したのだった。

 確かにその狙いは間違っていなかったし、オルタナティブの変身者である

仲村創の経験不足に上手くつけ込む形でゾルダに変身したベルデはここまで

戦いを優勢に進めることが出来たのだから。

「隙を見せたな。さぁ、正体を現しやがれ!」

 高さ5mを優に超える大木が自分の目の前に倒れ込んで来れば、当然

どんな人間であっても、すぐさまそこから飛び退いて距離を取る。

 だが、その距離こそが今のベルデの命綱に他ならなかった。

 そして、その命綱が切られた音が切り落とされた街路樹の向こうから

聞こえて来てしまった。


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