293:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/30(日) 11:49:28.65 ID:DSAJ+Ylu0
確かに浅倉は強い。
死を恐れずに立ち向かう蛮勇はライダーの中で一位と言えるし、自らに
降りかかる危機を切り抜けるだけの悪辣なまでの狡猾さも持っている。
しかし、それ故に浅倉威は香川英行を打破することが出来ない。
何故なら、香川は浅倉の想定のその遙か上を行くからだ。
トンネル内部、自分の背後から聞こえて来たオルタナティブとは異なる
もう一つの電子音声に王蛇はすぐさま反応することが出来なかった。
自分を超える斬撃を繰り出す香川の太刀を捌ききれず、返しのついた
棘で体を抉られては退路を炎で塞がれて追い込まれる王蛇に背後に潜む
一番敵に回してはいけない相手への対処を考えられるだけの時間は
与えられなかったからだ。
「ぐああああああ!!」
わざと作られた香川の隙に乗じて背後に開けた何一つ明かりのない地下
通路の中に飛び退き、距離を取ることに成功した王蛇の背中を鋭い斬撃が
切り裂いた。タイガによる暗闇からの奇襲である。
一度目の斬撃は王蛇の強化スーツの背中を深々と切り裂き、切り裂かれた
箇所からは生身の肌が覗き、そこから大量の血液が飛び散った。
二度目の斬撃は浅倉の足を突き刺すような攻撃だったが、浅倉は自分の
ベノサーベルをタイガに投げつけることでこれを回避し、考え得る限りの
最悪の結末を一先ず先送りにすることに成功したのだった。
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