29:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/24(月) 00:09:06.59 ID:WOJJWRsc0
第三話 仮面ライダー
朝八時過ぎ、朝日が昇らない曇り空とは関係なく新しい一日が唐突に
始まりを告げる。
「ねーねー、お兄ちゃん、ここで何やってんの?」
「はっ?!」
昨夜の死闘によって、体の節々が痛む中、深い眠りに落ちていた満を
不思議そうな顔をした小学生が覗き込んでいた。
「えっと...いや、疲れてつい寝ちゃったみたいだ」
「ふぅん。ま、いいや。じゃ〜ね〜」
「ああ。じゃあね」
黒いランドセルを背負った少年は、そのまま学校へと走って行った。
(そうだ...俺は、昨日...)
時間にしてわずか10分の死闘だった。
初めて武器を取り、初めて自分が生きる為に『何か』を殺した。
それは、今までのぬるま湯のような自分の人生観を根底から揺るがす
ような大きなショックをもたらしていた。
「そうだ。俺は、勝ったんだ...」
呆けながら口に出した言葉はまだ軽かった。
ギリギリの所でつかみ取った明日が今ここにある。
今は、それだけでよかった。
「行かなきゃ...あそこに...」
だが、勝利以上に今の満の心を占めていたのは...
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