286:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/30(日) 11:45:39.97 ID:DSAJ+Ylu0
「お前か...英雄の親玉っていうのは...」
「ええ。名もなき英雄ですが、それも今日までです」
遂に姿を現した浅倉威と対峙する香川英行。
時刻は平日の午前9時43分。場所は清明院大学から遠く離れていない
人通りの多い大通りである。
「面白れぇ...典型的だが、悪くない」
北岡に写真を見せられた時には気が付かなかったが、人の理から外れた
浅倉威は、香川を一瞥するだけで自分とは別のベクトルではあるものの、
目の前の相手も一筋縄ではいかない何かを持っている、人の域を踏み外した
とんでもない化け物だということを一瞬で悟った。
「ライダー同士、いざ尋常に勝負とはお互いガラでもないだろうが...」
「お前となら、かなりギリギリの所で愉しめそうだ」
「結構。どうせ死ぬなら互いの全てを出し切って死にたい物です」
この戦いで自分と同じ土俵に上がって戦おうとするライダーと初めて
遭遇した浅倉の笑顔がますます獰猛さを帯びた凄惨な物へと変化していく。
「分かってるじゃねぇか...英雄サマよぉ...」
尋常ならざる雰囲気の二人のオーラに気圧された何も知らない一般人が
海が割れるように、二人を避けて通り過ぎていく。
まるで怪物と英雄の対決を妨げるものはいないとでもいうように...
「...変身!」
銃の早撃ちのようにカードデッキを取り出した香川と浅倉は
己の全てを戦いの昂揚に任せ、ライダーへと変身した。
「...変身!」
二人が変身したと同時に、打ち上げ花火が空中で爆発する音が周囲に
響き渡る。それを合図に香川と浅倉の体は一瞬のうちに、ミラーワールド
へと吸い込まれていったのだった...。
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