236:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:48:24.93 ID:xchiMuX50
「磔って...嘘だろ?じゃあ、蓮は一方的に追い込まれたのか?」
「おそらくは、な」
「だったらなんで蓮を助けたりしたんだ?」
「佐野は、蓮を助けたときにこう言っていた」
「俺と城戸に約束したから。と」
「約束って...あっ!もしかしてあの時のことか!」
あの日の後味の悪い別れの時に佐野が言った言葉を真司は思い出していた。
自分と手塚には感謝しているし、もしミラーワールドで出会ったら、
その時は自分に出来る範囲で手助けする。
「まさか、あの言葉が本当だったとはなぁ...」
しみじみと呟いた真司はなにやら深く考え込みはじめた。
「城戸、何を考えている?」
「あ、いや。蓮の奴は大丈夫かなって」
「ほら、アイツ時々無茶するからさ。だから...」
「だから?なんだ?」
蓮の分も俺達でフォローしなきゃな、と言葉を続けようとした真司の
肩越しから蓮の言葉が聞こえて来た。
先程の失敗が余程答えたのか、後ろを振り返った真司の目に写った
蓮の顔には覇気というものが一切感じられなかった。
しかし、瞳の中にはメラメラとした黒い炎が滾っていた。
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