235:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:47:53.22 ID:xchiMuX50
〜花鶏〜
土曜日の昼下がり、店主不在の花鶏で一人店番をしていた城戸真司は
茫然自失状態の秋山蓮とそれを抱える手塚に心底驚いた。
「ええっ!?じゃあ、なんだよ」
事情を聞いても何も話そうとしない蓮の代わりに、手塚が事情を話す。
「蓮の契約モンスターが神崎の手下モンスターに喰われた」
「ちょっ、マジかよ...神崎の手下モンスターって...アレだよな?」
身も蓋もない手塚の結論に面食らった真司は、心のどこかできっと蓮が
ムキになるあまり、契約モンスターに無茶な命令でも出したのではないの
だろうかと想像していた。
手塚が言うには、蓮と共に行動していた際に近くにあった大きな病院から
モンスターが姿を現して人を攫う所を偶然目撃した為、二人で変身し、
ミラーワールドに引きずり込まれた人間を救出した後、ガルドサンダーに
遭遇したらしいとのことだった。
「俺と蓮は二手に別れてガルドサンダーを追いかけていった」
「そして、蓮は運悪くアビスに捕まってしまった」
「アビスって...もしかして佐野君の事か?」
「ああ。この前会ったときとは桁違いに強くなっていた」
「俺が蓮の元に辿りついたとき、蓮は壁に磔になっていた」
蓮の強さを知る真司にとって、蓮が為す術もなく一方的に押し切られた
事はにわかには信じがたい出来事だった。
現にこうして命からがら手塚に連れられて帰還した蓮を見ると、やはり
今自分が耳にした事は全て真実だと信じざるを得ない。
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