151:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/24(木) 21:47:08.53 ID:u0fZkAxu0
私は大井さんを、私は大井さんが。
まぁ、なんだっていい。今どうせ考えたって、やっぱ意味はないんだから。
当たって砕けろ。玉砕あるのみだ。
残りの水を飲み込む。これで少しは回復した。
私は腕時計を確認する。時計の指針は天辺を過ぎ、ぐるりと半周し終える所まできていた。
よく耳をすますと、ひぐらしが夜の訪れを遠くの山から知らせている。
頭上にもくもくと広がる積乱雲が、夕焼け空の赤を背景に、うっすらと影絵になりつつあった。
今日が終わるのも近い、後回しはまずい。急がなければ。
ペットボトルをキャップと分け、ゴミ箱に放り込み、私は走った。何としてでも今日中に、大井さんにこの気持ちを伝えたい。何が何でも、そうしたい。
足が痛い、ふくらはぎが引きつって今にでもこむら返りをしそうだ。一歩一歩がこんなにも重く、足を前に出すことが苦痛なのは初めてだ。
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