89: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/05/02(火) 04:42:41.18 ID:UUDRFckKO
言葉が、出ませんでした。
ここまで脳の処理が追い付かない感覚と言うのは、初めてだったかもしれません。
…でも、折れちゃダメ。確かめなきゃいけない事は、まだたくさんあるんだ。
「………それから、どうして手首を切ったんですか…?」
「死にたかったわけじゃないよ。『俺』もどうして切ったのか、よく分かってないんだ。
そうだね…強いて言うなら……また見れるかなって、思ったからさ。
結局『それ』じゃ、見れなかったけどね。」
その時彼が見せた笑顔は、青葉は一生忘れられないと思います。
あの曲のタイトルを教えてくれた時でさえ、まだ隠していたものがそこにはありました。
欲望に歪むでも、悪意を孕むでも無い。
子供のように無邪気で、どこまでも透き通っていて。
だけど、ゾッとするような。
初めて見た、彼の心からの笑顔を。
ああ…そっか……少しだけ、分かりました。
彼はもう自分じゃ…
557Res/457.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20