494: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/06/08(金) 05:27:55.84 ID:SfivEjrbO
ジュンの遺体は解剖に回された後、彼の故郷へと送られました。
親族のみの密葬でしたが、葬儀に呼んでもらえて…まずご両親に会った際、私は頭を下げました。
挨拶ではなく、謝罪として。
ご両親は、捜査上での事の経緯を知らされていました。
それと…私が知る真実と、彼がどう生き、どう死んでいったのかも話して…ご両親はただ、「ありがとう」と私を抱きしめてくれたのです。
一番側にいたはずなのに、助ける事が出来なかった私を。
彼が荼毘に付されたのは、翌日の事。
火葬場に行って、棺の窓を開けて…その顔はやっぱり、あの日のまま。
最後に小窓に口付けて、無機質な鉄の扉が閉まると、炎が揺れる音が響きました。
その日は偶然、火葬場の予約はジュンだけしか無くて。
焼かれている間、私はずっと、駐車場から煙突の煙を眺めていました。
遠く遠く、どこまでも昇っていく。
煙は上に行く事はしても、こちらに吹き降りて来たりはしない。
私の頬を、一陣の風が撫ぜる事さえも。
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