482: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/06/02(土) 06:44:54.56 ID:n943p0E7O
「……あったかいなぁ…。」
「…………ごめん。笑えないよ…。」
「謝るのは…俺の方さ……ずっと隠してて…ごめんな…。
本当は…伸ばしてくれた手を掴む…資格なんて…無かったんだ…。
それでも縋っちまった……結局…このザマさ…。
最後の最後…で…泣かせちまったな…。」
「……ううん!それでも私は幸せだったよ!ジュンに会えて良かった!!
……ジュン…愛してるよ!!」
「……ありがとう…。
なあ、もう少し…顔、見せてくれ……。」
やっとの思いで作れた笑顔は、きっと不細工なものだったでしょう。
ジュンはそんな私にでも優しく微笑んでくれて、言われるままに顔を近付けると…。
「………!?
……もう。」
「……へへ…最期ぐらい……良い思いしたって良いだろ…?
愛してるよ…言わせんなよ恥ずかしい…。」
そうニヤリと笑う顔は、子供みたいで。
鉄の味のキスだけど、それはとっても暖かくて。
「……地獄、だったな…。
あの日からずっと…この世は地獄だった……。
天国なんて…言い張ってたけど……本当はそれ以上の地獄に…俺は行きたがってたのかもな…。
そんな中だったけどよ…一個分かった事が…あるんだ…。
こんな……地獄みたいな…世界でも……」
予感がする。
きっと、本当に時が来てしまう。
その先は言わないで。
でも、彼はまた笑って。
557Res/457.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20