46: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/17(月) 21:32:33.10 ID:SfoiDvs7O
「司令官の言ってた元カノさんって…あちらの扶桑さんの事ですよね?見た目でそうかなって…。」
「ああ、そうだよ。元気そうで良かった。」
「ふふー、お顔を見て、切なくなったりしちゃいましたかぁ?」
「んー…ある意味、そうかもね。」
そう笑う司令官は、どこか寂しそうで。
それを目にすると、今度は痛いなって思うぐらい胸がぎゅっとして…でも悟らせたくなくて、青葉は必死にいつもの顔を作っていました。
「僕の中では、彼女の事は完全に吹っ切っていてね。未練は無い。
それでもいざ顔を見たら、何か感慨ぐらいあるかと思ったんだけど…自分でもびっくりするぐらい、何も感じなかったよ。
やっぱりそう言うものなんだなって思ったね。」
「……そう、ですか。」
悲しいような、嬉しいような。そんな気持ちになりました。
司令官が寂しく感じたのは、何も感じない自分に対してで…裏を返せば、何か感じて当たり前だって思うぐらい、二人にはドラマがあったのかもしれません。
それに…過去に執着も無いけど、今誰かが彼の中にいるわけでも無いんだなって、分かってしまって。
「……今、好きな人はいないんですか?」
「ふふ、ご想像にお任せするとだけ言っておくよ。」
心なしか、いつもより柔らかく笑ったような気がして。
でもそれは、何だか妹分をあやすような、そんな感じの笑みで。
…ああ、隣にいるのに、何でこんなに離れてるんだろ。
心地いい海風と月明かりに照らされたような、ロマンチックなシチュエーションです。
それでも青葉は…それ以上は、彼の方へ近寄る事は出来ませんでした。
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