青葉「けしの花びら、さえずるひばり。」
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402: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/03/03(土) 00:46:21.20 ID:OAldzK6hO

この鎮守府に異動してすぐの頃は、あんまり馴染めなかった。

噂って奴は、尾ひれを付けて飛んで回るもん。
どうせどっかで聞き付けられて、また避けられるんだろうって思うと、なかなかその気になれなくてね。

そこからあんまり経たない内かな、あの子がここに来たのは。


「恐縮です!初めまして衣笠先輩!重巡・青葉と申します!」


一応姉妹艦としては姉だけど、あの子も最初は先輩呼びだったっけ。
最初は事務的に対応してたけど、なかなかしつこかったのをよく覚えてる。

それでちょっとうざいなって思って、ある時言ってやったんだ。
「研修あそこだったよね?死体蹴りのマユって聞いた事ない?」って。

あの子は丁度前いたとこが研修先だったから、色々聞いてるってカマかけたの。
そしたらあの子は……。


「ああ、あなたが…そのお話は先輩から教わりました。

でも私には、そこまで怖い人とは思えません。
緊急事態だったんですよね?そんな時に加減が出来る人って、実際どれぐらいいるんでしょうか。

せっかくの姉妹艦じゃないですか、仲良くしてくださいよぉ〜。」


今思えば、あの子も着任したてで不安だったんだと思う。
でも私にとっては……。


「そう?じゃあ私の事はガサでいいよ。
そうだね、一応あんたが姉だから…これから敬語は無しで!」

「……うん!よろしくね、ガサ!」




あの子を天使に思えるぐらい、あの時見せてくれた笑顔は眩しかった。







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