395: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/23(金) 03:52:37.02 ID:ZbGgHjaLO
「……今だからこそ言えるが、結婚を意識する時もあった。
でもあの件があって、俺もああなっちまってな。
あの時俺はブッ壊れちまってたけど、振られた時は妙に納得が行ったんだ。
感情が戻って思い返した時、こう思った。
俺はあれだけそばにいてくれて、親身になってくれた相手を追い詰めた、死にたがりの馬鹿だったってな。
同時に…それでもそばにいて欲しかったとも、あの時感じてたんだって。
だが全ては、もう過ぎ去った事だ。
俺が俺を取り戻した時も、恋愛感情は消えたままだったよ。
4年前のあの日に、全部受け入れちまったんだと思う。
あの頃の俺では、当然の結末だったって。
あいつの幸せを思うなら振り切れって、死んだ心でも思ったのかもな。
講習に行った時な…復縁を迫られた。
びっくりしたもんさ、まだ俺を引きずってたのかって。
だが『今の俺』は、お前を選んだ。
だからはっきりと、戻れないって伝えたんだよ。
身勝手な話だけどよ…それでもあいつには、幸せになって欲しい。
俺がお前と出会えたように、あいつも時計の針を進めて欲しいって。そう思うんだ。
…死んじまったら、元も子もねえじゃねえか。
生きててもらわねえと、未来もクソもねえよ。」
「………うん。」
撫でていた頭を抱え込んで、私はそっとジュンの目を塞ぎました。
潤んだ目を見るのは、少しつらいものがありましたから。
扶桑さん……今だけは、この人の視線は譲ります。
あなたの為にも、山城ちゃんや皆の為にも…こんな事で死んじゃダメですよ。
やがてジュンの寝息が聞こえて、少しは休めるかな?って安心して……
『ビーー!!ビーー!!』
それを裂くように、彼の携帯から警報が鳴りました。
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