31: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/16(日) 07:27:52.94 ID:ioLvyS6FO
しばらくは、変わらない日々が続きました。
らしくないですねぇ…あの日以来、青葉は彼の過去に触れようとはしなくなっていました。話をしに行っても、本当に他愛の無い事しか言えなくなって。
時計から見えた手首の傷跡は、かなり深いもので。
本当の事を知りたいとは思うけど…いざ司令官を目の前にしてしまうと、何も言えませんでした。
彼が死に掛けた理由は推測通り、過去の戦闘なのか。
それとも、意図して命を落とそうとしたからなのか。
考える程、いつもの彼に接する程…余計にわからなくなって。
でも、彼と過ごす時間は、青葉にとってはとても穏やかなもので。
日々の任務や秘書艦を終えたら、その板挟みで部屋で悶々としてしまうようになっていました。
イヤフォンを付けて、机に突っ伏して。携帯から流れて来るのはやっぱりあの曲で。
『汚れた心と、この世にさよなら。』
そのフレーズが流れる度、彼がいつもの笑みのまま、どこかに消えて行ってしまうような景色が浮かぶのでした。
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