27: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/14(金) 09:55:22.07 ID:Sw2uysfwO
「青葉か…お疲れ様。」
扉を開けると、彼はいつもの笑顔で出迎えてくれました。
その子が亡くなった報せ以来、見ていなかった顔。それを見た時、少しだけ安心している自分に気付いて。
「お疲れ様です…あの子、随分ちっちゃくなっちゃいましたねぇ…。」
「君の撮った写真は、あの子の手に握らせておいたよ。たまには思い出せるようにね。」
「…ありがとう、ございます……。」
改めてその話を聞くと、涙が止まりませんでした。
だめだなぁ、最近泣き虫だ…でも司令官は、相変わらずの笑顔でこう言ってくれました。
「……青葉、おいで。」
もう、だめでしたね。
青葉は彼の胸に縋り付いて…遂に、嗚咽を堪えられなくなっちゃいました。
彼は相変わらず、怒りも悲しみも見えなくて。それは人によっては、冷たいものに見えるのかもしれない。
でもこの時の青葉にとっては、それが何よりの救いでした。
「何も言わなくていいよ…あの子なら、きっと穏やかな場所に行けたはずだ。」
この時彼は、何度か口にしていた天国と言う言葉を使いませんでした。
穏やかな場所。司令官…そこはあなたの焦がれている場所とは、違うんですか?
あの子を失った悲しみと、この前彼に抱いた不安がぐちゃぐちゃになって。
余計に涙を堪える事が出来なくなりました。
それでも抱き締めてくれる腕は、優しくて。
青葉は、いつしか泣き疲れて眠ってしまっていたのです。
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