116: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/05/10(水) 14:38:58.03 ID:nW+Vca+e0
「……青葉?」
対面から隣へ移動して、そのまま横になりました。
この前と逆で、青葉が膝枕をしてもらう形で。
「じゃあ謝るよりも、撫でてくださいよ。青葉も司令官の辛い事、沢山訊いてきましたから。」
「……分かったよ。」
一際優しい声の後に、髪に手が触れました。
触れるのは彼の左手。ズタズタの手首がある場所。
眠くなりそうなくらい優しい手付きで、夢みたいで…でも青葉は満たして欲しいと同時に、満たしてあげたいんですよ。
撫でてくれる手を掴んで、時計を外しました。
改めて間近で見るそれはグロテスクで…そして愛おしい、彼の一部でもあって。一度手を胸に抱えて、その傷に唇を寄せました。
触れた感触は、でこぼことしていて。
きっとあの人でさえ、知らない事。青葉だけが知っている事。
これは、わたしだけのもの。
他の誰にも渡したくない、青葉だけのもの。
手を離したら、また髪を撫でてくれて。どんどん眠くなって来ました。
「いいんですよ?襲ってくれても」なんて、寝ぼけたフリして言えちゃいそう。
でも今は…これだけでも充分です。
この時間をひとりじめ出来ているだけで、青葉は満足でしたから。
結局そのまま眠気に負けて、目を閉じて。すうすうと寝入ってしまったのでした。
彼への欲望に際限なんて無い事にも、目を閉じたままで。
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