193: ◆026JPAkZvkOC[saga]
2017/11/29(水) 23:24:06.05 ID:hpDiDMAI0
「マスターの諸君、よくぞ集まっていただいた。私が今回の聖杯戦争の監督役を務める、言峰綺礼だ」
視界の先の男が無人の教会の中でそう切り出す。
左右を見ると、確かに使い魔らしき何かの影が見えた。どうやら、他の聖杯戦争の参加者(の使い魔)も先ほどの魔力を感知して教会にやって来ているようだ。
「さて、早速だが本題に入らせていただく。諸君の求める聖杯は、それを求めるものに対してのみサーヴァントとの契約を可能にする。ところが今、一人の裏切り者が現れた」
言峰綺礼は、淡々と話を進めていく。使い魔越しの映像でも、彼が油断ならない人物だということは伝わってきた。
嘘をつく人間には見えないが、真実を素直に話す人間にも見えない。掴み所のない男だ、というのが第一印象だ。
ーー彼に対して自分が強い嫌悪感を抱くのは、彼が対極の存在だからなのだろうか。それとも、瓜二つな存在だからなのだろうか。
「『バーサーカー』のマスター。その者は、 冬木市内で今なお発生している通り魔事件の犯人で、己の欲を満たすためにサーヴァントを使役している」
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