182: ◆026JPAkZvkOC[saga]
2017/11/11(土) 02:00:09.30 ID:etLuyLiK0
『キャスター』のマスター、衛宮士郎は己のサーヴァントのことをあまり知ろうとしない……というか、聞こうとするそぶりすらない。
聖杯戦争の5日目になってなお『キャスター』の真名を知らないのが最たる例だ。
きっとそれは、自分自身のことを知られたくない気持ちの裏返しなのではないか、と『キャスター』は推理した。自分が実は嫌々正義の味方をやっていることを知られたくない、という思いが逆に、相手のことを知りたくないという形で出ているのではないだろうか。
……ただ、それはあまりに寂しい。もっと自分のサーヴァントのことを頼ってくれてもいいのに、と『キャスター』は思ってしまう。
ご主人様の悩みは自分の悩み。ご主人様の悩みで、自分も共に悩みたい。辛いことがあるなら、出来れば解決してあげたい。良妻たろうとする『キャスター』は、心からそう思っていた。
「……聞いてみましょうか。ご主人様が起きたら、夢のことも含めて」
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