164: ◆026JPAkZvkOC[saga]
2017/09/18(月) 17:56:41.02 ID:NXdKGVNR0
頭を抱えながらベッドの上で身悶えるイリヤスフィールの横で、アレキサンダーはニヤリと笑っていた。ただ、それは彼女の様子を見てのことではない。
この聖杯戦争に呼ばれた当初は、そこまでやる気があったわけではなかった。今の自分には強く叶えたい願いはない。戦うこともーー嫌いというほどではないが、かといって好きでもない。
マスターとサーヴァントという主従関係を結んである以上、マスターの言うことには従うつもりではいたが、本気で戦い抜いて勝ちたいという気持ちは全くなかった。
ただ、先刻の戦闘で『キャスター』主従に出会ったことで話は変わった。
『キャスター』の魔術や戦いに惹かれた、というわけではない。無論、彼女の容姿に惚れたわけでもない。
むしろアレキサンダーが興味を持ったのは、そのマスターの方だ。
己の真意に気づかれまいと顔に貼り付けた笑顔の仮面。まことしやかに嘘を言う演技。そして、自身に対してすら嘘をつきながらも決して芯を曲げないという、ある種矛盾したその精神。
"アレ"をもっと観察してみたい。その仮面の下に隠された素顔を見てみたい。
神童と呼ばれた英雄、アレキサンダー。彼の聖杯戦争に、今やっと目的が誕生した。
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